何者(朝井リョウ)
今週のお題「プレゼントしたい本」
今日ご紹介したい本は「何者」先回と続いて映画化される話題の本。なぜそういったものばかり紹介するのか。それは僕がミーハーであるということ以外の何者でもない。
さて、この朝井リョウという著者が最初に世間に周知されたのは「桐島、部活やめるってよ」からだろう。若者の、集団から生まれる同調や圧力、階級などの描写がとても生々しい。
この「何者」も例外ではなくてそうした苦悩を抱える若者。とくに就職活動というイベントによる嫉妬や虚栄を、ありありとさらけ出している。
これからの人生を左右し、就職先の名前によって一方は内定したというだけであたかも名誉や権力まで勝ち取った気になり。もう一方では自分の価値など無いものと思い込んでしまう。
少し前の僕自身が身に覚えのある感情や行動を見事に登場人物がなぞっていくので過去の自分を省みてしまった。
これから就活に挑もうとするあなたや、今まさにこういった状況に置かれているあなた。そしてもう社会人として働いているあなた。誰が読んでも考えさせられる一冊だと思う。
あなたの周りにいる、もしくはあなた自身が心当たりのある人物に思い切り感情移入してほしい。
最近この「何者」の続きというわけではないがスピンオフ作品として「何様」が店頭に並んでいる。またの機会に紹介したい。