八日目の蟬(角田光代)
今週のお題「プレゼントしたい本」
この「プレゼントしたい本」という今週のお題は先週から始まっていて、引き続き今週も、ということで2週も続いている。それほどこのテーマが人気なのかな。
実はいま紹介しているのは、昔読んだ本の棚を「うーん」と眺めて、その時に目が止まったものを紹介している。といった風なんだけれど、さっきこの「八日目の蝉」の背表紙を見て慌ててキーをタイプしている。ぜひとも読んで欲しい本の一冊だからだ。
内容はというと、道ならない恋愛。要は不倫をしていて、不倫相手の妻が妊娠する。しかし、自分はというと妊娠が望めない身体。生まれた赤ん坊をひと目だけ見ようと不倫相手の家に忍びこみ、顔を覗き込むと微笑む赤ん坊。抑えられない衝動。そのまま抱き抱えて飛び出してしまった。
これは長い長い物語の、ほんの一部だけれど、もう、これだけで色々と考えさせられる部分があるのではないだろうか。これだけの情報だと善悪がはっきりしている。だが、そんなものがこの世にあるだろうか。いや、きっとない。
読んでいるうちに、あなたの立場は二転三転して、悪いこととは…。善いこととは…。親子とは…。と考えを巡らせることになると思う。